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建物明渡不動産弁護士+知財+中小企業法務

不動産投資歴30年の弁護士が、不動産投資や管理のコツ、賃料滞納による建物明渡について、日々の雑感を綴ります。時々、脱線して、カメラや相撲に話題がとびます。

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賃貸、売買、欠陥住宅、そのほか不動産に関するご相談を承っております。何時でもお電話ください。

昨年、大問題になりましたね。既製杭のデータ流用。最初は、旭化成の一社員の行為かと思っていたら、実は、こういう手抜きは、結構、業界の一部では「常識」になっていたようで、これには驚きました。
建築業界とか不動産業界って、世間では理解できない「常識」がまかりとおっていますが、これも、その一つなんでしょう。

確かに普通、支持層は大体平らですから、何本か支持層に到達していれば、他の杭も普通は支持層に到達しています。横浜のマンションでは、波打つような支持層のため、既成杭が支持層に到達していなかったわけですが、こういう支持層は、そうありません。またあったとしても、大地震でもない限りは、普通は、ばれません。まあ、そういうこともあって、こういう悪しき慣習が、一部にはびこったのかもしれません。
ただ、マンションは、一生かけた買い物という方がほとんどでしょうから、購入者の方が激怒されるのは当然です。では、購入者は、誰にどのような責任を追及できるでしょうか。また、業者は、責任を免れる可能性はあるでしょうか。

[基本的観点]
普通、建設工事は多くの関係者が重層的に集まって進められ、他の業者への信頼を前提として各業者が工事をすすめがちです。
しかし、「基礎」というのは、建物の構造のうち、一番大切なところであると同時に、外部からは容易に確認できません。特に施工後は、直接確認することは不可能です。
そこで、杭の施工、特に支持層の到達については、関係者各位には、それぞれ独自に非常に重い管理義務・注意義務があると考えられます。「○○の指示通りにした」とか主張して、他者に責任転嫁をすることは難しいでしょう。
いいかえると、この責任転嫁が法律的に可能な場合のみが、責任を免れることになります。

[設計者の責任]
設計段階で、杭が支持層に到達していなかった以上は、当然、設計ミスですから、賠償責任を負います。
しかし、誤ったデータが与えられたため、結果として設計ミスになった場合は、責任を負いません。この場合は、責任転嫁ができます。
それでは、発注者から設計条件として与えられたボーリングデータが不十分だった場合、例えば、ボーリングデータが1箇所しかないような場合は、データが不十分だったとして責任転嫁できるでしょうか。
この場合は、確かに支持層の深度を的確に把握して設計することは困難です。しかし、設計者は、発注者に、これでは支持層を把握できないとして、ボーリング調査を十分に実施するよう発注者に要求すべきで義務があると考えられます。設計者の責任は免れません。

[下請けの責任]
杭施工業者としては、支持層に到達したかどうかを確認すべきは当然で、この確認を怠った以上は、賠償責任は免れません。
設計図通りだという言い訳は通用しません。この場合は、関係者あるいは発注者に、設計図では支持層に到達しないことを指摘し、設計図の変更を求める必要があります。
また元請の指示に従ったという言い訳も通用しません。仮に元請が納期の関係等で、一部の確認でも大丈夫だといっても、施工業者はその指示に従うべきではありません。下請業者としては元請業者が、不適切な指示をした場合は、元請業者に是正を強く求め、それでも元請が拒否するなら、発注者に進言するなどして是正を促すべきです。
元請の指示に従わなかったとしても、債務不履行にはなりません。

[元請の責任]
元請業者は、下請業者に任せきりにするのではなく、すべての杭で支持層到達の立会確認を行うべきです。
下請けがかってにやったことで、元請は知らなかったという言い訳は通用しません。
そもそも、元請は下請けに本件工事において、基礎工事を下請業者に丸投げしてはならないのであり、仮に下請けに丸投げして施工に実質的に関与していなかった場合は、建設業法22条違反となります。(民間工事においては、発注者の書面による承諾を得た場合は適用除外となります)。
ケースによっては、営業停止、建設業許可の取消しの処分を受ける可能性があります。
毎日新聞は、1月13日付けのWEB記事で以下のように報道しています。
「国交省は日立ハイテクが旭化成建材に対し、建設業法が禁じる工事の丸投げをしていたと判断しており、両社に15日程度の営業停止を命令する見通し。また、両社は現場に専任の主任技術者を配置しておらず、三井住友建設も是正指導していなかったとして、3社に業務改善命令を出す方針。」


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森公任 ・ 森元みのり共同 監修で
「図解 最新 不動産契約 基本法律用語辞典 」

を三修社から出版します。
2016/1/29に発売予定です。
定価は 1944円。
重要解説+用語辞典の2つの機能を1冊に集約しました。
不動産業界は、独特な用語がありますが
これを手元に置いておけば
理解が進むと思います。


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「図解で早わかり 借地借家 法」
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三修社  定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「賃貸借契約を締結すると、貸主と借主は長期間にわたってつき合うことになります。
長期の契約の間に貸主と借主との間でトラブルが生じてしまう可能性は決して低くありません。
本書は、借りる側、貸す側のどちらの立場からも必要となる借地借家法の基本事項を中心に解説しています。
賃貸借契約においてしばしばトラブルになりやすい、敷金・賃料・必要費・有益費といった金銭がらみの問題は、図表を使いながらわかりやすく説明しました。



[専門家向け書籍]
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新日本法規出版株式会社
編著/森公任(弁護士)、森元みのり(弁護士)
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平成27年9月発売
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[一般向け書籍]
1.夫婦親子関係
「カラー版 一番よくわかる 離婚の準備・手続き・生活設計」
共同著編者 森 公任・森元 みのり
2015年07月 発売
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2.遺産相続関係
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最近、集中豪雨で、土砂崩れが発生し、その上に建築した建物が崩壊したというニュースを、しばしば聞きます。なかには死亡事故が発生する場合もあります。こんなとき、被害者の怒りは、その土地を造成した業者にむかうことは容易に想像されます。

造成業者の責任については、最高裁は、平成19年7月6日判決で、「造成業者は、擁壁の造成の際、周囲の宅地・建物居住者の生命、身体、財産を危険にさらすことがないよう、安全性を確保すべき注意義務を負う」と判断しています。

その基準となるのは、土砂崩れを引き起す原因となった災害が予見できるようなものかどうかです。
例えば、昭和49年に静岡県賤機山で起きた土砂災害で、静岡地裁平成4年3月24日判決が擁壁工事について、業者の責任を認定するにあたり、「この程度の降雨量は・・・・・・過去の観測データーにおいても数回あることが認められる」として、業者の責任を認定しています。判決を分析すると
① 本件斜面は、およそ30度ないし40度の急傾斜地となっている。
② 本件柵板工土留は、豪雨時に背面からの土圧及び水圧によって崩壊する危険がある場所である。
③ その下方に、本件事故の被災者の建物が多数所在していた。
④ 本県柵板工土留は降り始めからの積算雨量が、約229.5mmに至るまでに崩壊している。
⑤ この程度の降雨量は、過去の観測データーにおいても数回あることが認められる。
として、本件柵板工土留は、山の尾根下沿いの急斜面の土留として通常要すべき安全性を欠いており、瑕疵があった
と判断しています。
したがって、想定される範囲での降雨量では崩壊しないと技術的に評価できないと、造成業者が損害賠償責任を負う可能性があります。

そうすると問題になるのは、どの程度なら「想定される範囲」か否かと言うことになります。
過去に前例のない、想定できないような大雨が降り、そのレベルの降雨量で初めて崩壊した場合などは、造成業者には責任がありません。
しかし、過去に前例がある降雨量なら、「想定内」と判断されるリスクはあります。しかも、最近は、大雨が降るたび、未曽有の大雨、五十年に1度の大雨などという単語がニュースで連発されています。「未曽有の大雨、五十年に1度の大雨」が、日本全国、あちこちで、頻繁に降り注いでいます。
未曽有の大雨も一度降れば、未曽有ではなくなります。現在では、「想定の範囲」のレベルは、かなり高くなっていると考えざるをえません。
造成工事業者は、「業界では、この程度が常識だ」と安易に考えず、1000年に一度の大雨でも対応できるくらいの周到性が必要です。

なお、土砂災害防止について、国は、「砂防法」、「地すべり等防止法」、「急傾斜地の崩落による災害の防止に関する法律」、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」の4法で、土砂災害の危険性の回避や建築等の制限を行っています。これらは、宅地建物取引業法上の重要事項説明の対象です。



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編著/森公任(弁護士)、森元みのり(弁護士)
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平成27年9月発売
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◆各事例では、算定上の「POINT」を示した上で、裁判所の判断やその考え方についてわかりやすく解説しています。
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[一般向け書籍]
1.夫婦親子関係
「カラー版 一番よくわかる 離婚の準備・手続き・生活設計」
共同著編者 森 公任・森元 みのり
2015年07月 発売
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2.遺産相続関係
「図解 相続・贈与・財産管理の法律と税金がわかる事典」
森 公任・森元 みのり 共同監修
2015年05月 発売
定価: 1,944円(本体:1,800円+税)
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「最新 図解で早わかり
改正対応! 相続・贈与の法律と税金」
森公任 ・ 森元みのり 共同監修
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3.倒産法関係
「最新 図解で早わかり 倒産法のしくみ」
森公任 ・ 森元みのり共同 監修
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設計事務所の設計図に従って忠実に建物を建てたのに、注文主さんから文句を言われた建築会社は多いでしょう。注文主さんの意識では、設計事務所は変な設計をするわけがない、おかしいところがあるとしても、それは建築会社のせいだ、と思いこんでしまっているわけです。
建築会社からすれば、設計図通りに設計したんだ、責任は設計士だと思うでしょうが、そうは簡単には結論がでません。
というのは、民法636条ただし書では、「請負人は、注文主の指図どおりに施工し、その結果、瑕疵が生じた場合であっても、その指図が不適当であることを知りながら告げなかった場合、瑕疵担保責任は免責されない」と規定されているからです。
つまり、「その指図が不適当であることを知りながら告げなかった場合」は、責任が生じます。そこで、工事の専門家として、建築士の設計通りに施工すれば瑕疵が生じると認識できる場合、施工業者はそれを発注者に報告し、是正を促す必要があります。漫然と施工し瑕疵が生じた場合、施工業者は瑕疵担保責任を免れられません。

参考裁判例として、福岡高等裁判所平成24年1月10日判決(不法行為に該当する瑕疵の基準を定立した最高裁判所平成23年7月21日判決の差戻し控訴審)があります。ここでは、
① 施工業者は設計者の指示が不適切と知りながらこれを告げなかった
② 設計の瑕疵に気付けたが気付かず施工した
場合は、施工業者に責任を負わせています。
ポイントは、民法636条ただし書適用範囲を拡張し、意図的に告げなかったという故意類型ばかりか、気づけたが気づけなかったという過失類型でも建築会社は責任を負うと判断したことです。

施工業者は設計図どおりに施工すれば問題はないと考えず、この設計図が法令に適合しているのか、構造計算から安全性が確保されているのか、設計図と他の資料とは整合性があるか、について、十分に精査する必要があります。
精査の結果、設計図どおりに施工すると瑕疵の生じる可能性がある場合には、発注者に指摘して設計の是正を促すべきです。
この点につき、不十分だと、施工業者も法的責任が生ずると覚悟したほうがいいでしょう。
例えば、最近大林組なんかで何かと話題の配筋ミス、これは施工管理で容易に発見できるわけで、この配筋ミスで、コンクリートのひび割れが生じたら、責任は免れません。

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図解で早わかり 借地借家 法
森公任 監修
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三修社  定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「賃貸借契約を締結すると、貸主と借主は長期間にわたってつき合うことになります。
長期の契約の間に貸主と借主との間でトラブルが生じてしまう可能性は決して低くありません。
本書は、借りる側、貸す側のどちらの立場からも必要となる借地借家法の基本事項を中心に解説しています。
賃貸借契約においてしばしばトラブルになりやすい、敷金・賃料・必要費・有益費といった金銭がらみの問題は、図表を使いながらわかりやすく説明しました。

「図解 相続・贈与・財産管理の法律と税金がわかる事典」
森 公任・森元 みのり 共同監修
2015年05月 発売
定価: 1,944円(本体:1,800円+税)
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「人の死と同時に必ず発生する相続。相続が発生した場合の相続分、遺言、遺産分割、登記、裁判所での調停などの手続き、相続税知識まで幅広くフォローしています。また相続が発生する前から準備をしておきたい事項について、贈与税の知識や生前契約、成年後見、信託などの財産管理契約のしくみについても解説しています。
相続登記申請書、遺言状、契約書、家事調停手続きなどの書式サンプルも豊富に掲載しています。平成27年度の税制改正にも対応した安心の1冊です!」
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建物を建設する際、基礎を掘る。あるいは、地盤が軟弱たため、敷地に柱状改良工事を行い地盤改良工事を行う。
こういう場合、地面を深く掘ったり、地盤改良や杭打設などの工事するから、当然、隣の建物の敷地に影響を与え、その隣地の人の家が傾く場合がある。これは、結構、聞く話で、特に建物が密集する都会にでは、珍しいトラブルではない。自分も、今まで、何度かこういう事件の依頼や相談を受けたことがある。
こういう場合、建築会社は、どこまで責任を負うか。

建築会社は、こういうトラブルに備えて、「もし隣地が傾いたら、建築会社に過失があっても、施主が責任を負いなさい。建築会社は責任を負いません」と堂々と規定している約款に出会ったことがある。それも一度や二度ではない。そのときは、あきれて唖然としたが、こういう約款は、結構、今でも多いのではないか。
しかし、建築会社に過失がある場合まで建築会社は責任を負わず施主が賠償責任を負担しろというのは、あまりにも身勝手な約款で、少なくとも、消費者が施主の時は、裁判所は、その効力を認めないだろう。
建築会社は、いくら約款で責任を施主に転嫁しようとしても、過失がある場合は、賠償責任を負担すると覚悟しておいたほうがいい。

施主に責任転換が難しいとなると、建築会社としては、過失の有無をあらそうしかない。過失の基準は、「尽くすべき調査を尽くしたかどうか」である。
尽くすべき調査を尽くさなかったから、隣地の建物が傾いんたんだろうと思われがちだが、必ずしも、そうではない。
それは隣地の施工業者に手抜き工事等があった場合である。もともと軟弱地盤なのにそれに対応する造成工事や基礎工事をしていなかった。一方、建設業者は、本来、行うべき調査・工事は行っていた、こうなると、建設会社は賠償責任を負う必要はない。
ただ、「軟弱地盤なのにそれに対応する造成工事や基礎工事をしていなかった」かどうかは、その隣地の建物の建設時を基準として判断する。昔は、この点の規制は、かなり緩かったから、隣地の建物が昔に建てられていたとなると、当然、施工業者は、隣地の建物は、ちゃんと軟弱地盤に対応した工事をしたのか調査すべきで、これをせず、漫然と工事をし、隣の建物が傾いたら、賠償責任を負担せざるを得ない。
これに対し、最近建築された建物なら、業者は、当然、隣地の建物はきちんと法令を遵守して建物を建てたんだろうと信頼し、それを前提として、工事を行えば賠償責任は負うことはない。この場合は、隣地の建物を建設した業者が、隣地の方に賠償責任を負うことになる。

浦和地裁平成13年3月29日判決は、隣家の基礎工事等が不十分で、軟弱地盤対策を講じていないことは予見不可能であり、隣の建物が軟弱地盤に未対応ということを前提に建物を建築する法的義務はないとして、建築会社の過失を否定している。

なお、トラブルを避けるためにも、工事前と後に家屋調査を行い、工事期間中の変化を正確に把握できるようにしておくべきです。

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図解で早わかり 借地借家 法
森公任 監修
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「相続・遺言をめぐる法律と税金トラブル解決法129 」

森 公任 , 森元 みのり共同監修
1,944円(税込)1,800円(税抜) 三修社
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「図解で早わかり 倒産法のしくみ」
森公任 森元みのり 共同監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054
(楽天ブックのベストセラーで、大学のテキストとしても広く利用されています)
定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。
また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。
さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」

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欠陥住宅トラブルで、一番問題になるのが、この不同沈下、つまり、建物のよってたつ地面が沈んでしまい、建物が傾いたというケースです。
盛土部や軟弱地盤は地盤沈下の発生例が多く、欠陥住宅で一番トラブルの原因になっています。

まず「不同沈下=業者に債務不履行責任あり」とはならないことです。というのは、確かに不同沈下は、業者のいいかげんな造成工事で起こることがありますが、同時に、施工当時に予測できなかった地盤の特性、近隣での工事の影響、地震や大雨等の自然災害などでも生じます。
そこで責任を追及する側としても、責任を追及される側としても、まず原因を究明することが求められます。
造成工事が、あまりにいい加減な手抜き工事だったら、簡単なのですが、現実には、いくつかの原因が複合的に競合していることが少なくありません。本当の原因を突き止めるためには、地盤のボーリング調査や、オーガ等で地盤を掘って土質試験を実施し、その性状を把握することが必要です。
その上で人災なのか、天災なのか、人災なら、どこをどうすべきだったのか、このあたりを突き止めることが必要です。
しかし、現実には、この人災と天災の区別は、非常に難しいのです。例えば、最近、やたらと話題になるゲリラ豪雨。これで地盤が軟化し不同沈下がおきたとき、それは人災か天災か。この程度のゲリラ豪雨を予想すべきだったか、予測不可能だったか。

さてアナタが購入した建売住宅が不同沈下で傾いたとしましょう。
まずアナタは、これを売った業者に責任追及します。
ハウスメーカーは、「造成したのは当社ではなく、造成業者だから、責任はない」と主張しても、まずこの主張は認められません。販売業者には「安全性確保義務」があるからです。
京都地裁平成12年10月16日判決は、「建築業者は建築に際して地盤の支持力が十分か否かを調査し、不同沈下を起こさないよう配慮すべき義務がある」と判示していますが、これは通説的な意見でもあります。
ただ、建築業者は、日本建築学会の技術指針や国土交通省の告示などに基づいて、事前に地盤調査を実施し、地耐力を確認していれば、「安全性確保義務」を果たしたことになるといわれています。大手のハウスメーカーは、大体、これを遵守しているはずです。

建築業者が安全確保義務を果たしていたとなると、アナタは、造成業者に不法行為責任を追及することになります。アナタと造成業者との間には、契約関係がないから、契約責任は追及できません。
不法行為責任はアナタが立証する必要があるものの、施工管理などの工事記録は造成業者の元にあります。訴訟で開示させられるとは限りませんから、やはり、訴訟提起前に詳細な地盤調査が必要でしょう。
逆に言えば、造成業者は、宅地防災マニュアルなどの技術指針にのっとり、適切な施工をしていた場合は、積極的に工事記録等の資料を残し、これを提示すれば賠償責任を負うことはないということです。


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