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建物明渡・欠陥住宅不動産弁護士+知財

不動産投資歴30年の弁護士が、不動産投資や管理のコツ、賃料滞納による建物明渡について、日々の雑感を綴ります。時々、脱線して、カメラや相撲に話題がとびます。

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現在、わが国では、敷地が4メートル以上の道路に接していないと、建物を建てることはできない(接道義務)。しかし、古くからの街では、細く長い道路に沿って多くの建物が建てられており、接道義務を厳格に要求すると、都市部などでは多くの建物が全て再建築不可物件(既存不適格)になってしまう。
そこで、建築基準法では、元々は幅員が4mに満たない道路であっても、道路沿いの民地部分を建築基準法上の道路としてみなし、建て替えの際には道路中心線から2m下がった位置での建築を求められるケースがある。
この場合に生じた道路沿いの民地部分を通称『2項道路』と呼び、建築基準法の要件を満たすための私道の一つとされている。

土地所有者は、私有地から2メートルセットバックすることで建築許可をもらうことができるが、それでは、その部分は、道路としてほかの者の通行を受任すべ義務があるだろうか
2項道路は道路であると同時に私有地でもあるという中途半端な土地である。
所有者は、私有地であるという点を重視して考えがちであり、近隣住民は、道路であるという部分を重視して考えがちである。そのため、2項道路の利用をめぐって、トラブルが絶えない。

最高裁の考え方は、以下のとおりである。

「2項道路の指定を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、
敷地所有者に対して当該妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有する。
ただし、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情がある場合は、この限りでない。」

トラブルとして多いのは、近隣住民等からの通行妨害排除、通行権確認を求める訴訟で、多くの判例は、その原告が「日常生活上不可欠の利益を有するか否か」によって判断している・

「日常生活上不可欠の利益を有する」と判断された例としては、最判平18.3.23がある。
これは、2項道路所有者が2項道路に当たる土地に工作物を設けた事案において、
土地周辺の近隣住民らが提起した訴訟で、工作物の撤去を認めている。
「被告が同土地が2項道路であることを否定することは、被告が、建物を建築するに際し、同土地が2項道路であることを前提に建築確認を得、同土地に幅員4メートルの道路を開設し、その後5年以上同土地が2項道路であることを前提に建物を所有してきた上、同土地は公衆用道路として非課税とされているという事実関係の下では、信義則上許されない」。
これは、歩行を妨害したケースであり、妨害排除を認めている。

「日常生活上不可欠の利益を有しない」例としては、最判平12.1.27の判決がある。
この判決では、 2項道路所有者が自動車の通行の妨げとなる金属製ポールを設置した。その撤去を近隣住民が求めたというケースで、そのポールの撤去請求を認めなかった。その理由は以下のとおりである。
1、当該道路が専ら徒歩又は二輪車による通行に供されてきた未舗装である。
2、一方、妨害を求めている原告は、その土地を利用しておらず、賃貸駐車場として利用する目的で右ポールの撤去を求めているにすぎない。
3、当該道路を自動車で通行することについて日常生活上不可欠の利益を有しているとはいえない。
これは、車両の通行を妨げたケースで、妨害排除を否定した。

「日常生活上不可欠の利益を有しない」例としては、下級審だが、以下の判例もある。
この判決では、2項道路所有者が、近隣土地所有者による同私道の車両通行や、同私道を掘削して上下水道の本管及びガス管を継続して使用していることについて、土地所有権侵害による損害賠償を請求した事案において認容した。
2項道路であることから直ちに、本件土地1に隣接する土地所有者が、本件土地1を自由に使用することができるとはいえず、他にY1らが本件土地1を使用する権限を有することを認めるに足りる証拠は存しないから、Y1らの主張は採用できない。
これは車両の通行、車とか水道管やガス管を通されたことによる賠償請求を認めた例です。


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