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ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記

森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。

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これまで何度も、執行官や立会人の方と建物明け渡しの強制執行を行ってきた。執行官を連れて行って明け渡しの催告をしても、なお出て行かないという人は、やはり、個性的な方が多い。
このことは、前回のブログで述べた。

記憶に残る事件の二番目は、執行官と一緒に行ったとき、洗濯物を干していた入居者である。
1か月目に、執行官や立会人の方とともに、現地に行き、一ヶ月後に明け渡すことを予告した。その際、入居者は、「必ず退去します」と真摯に約束した。
ところが、大家さんの話では、全然出ていく気配がないという。で、当日になり、立会人や執行官、多数の立ち退き業者と現地に行くと、入居者は、ちょうど、2階のベランダで洗濯物を干しているところだった。
目と目があったので、
「○○さん、何をしているんですか」
「あー、どうも、天気がいいんで洗濯したんですよ」
「今日は、立ち退きの日でしょう」
「えー、そうでしたか?」

入居者は、急いで玄関に降りてきて、
「すっかり忘れていた。あとひと月まってくれ」
という。
自分が、拒否すると、大家さんを呼んでくれという。
「大家さんとは、10年来の付き合いだ。きっと話せばまってくれるはずだ」
自分が、その大家さんから「今日こそは強制的に退去してくれ」と頼まれてきたのだ、と告げても信じない。「自分は、10年来、大家さんと家族ぐるみのつきあいをしてきた、そんなことを言うはずがない」と主張を繰り返す。
やむを得ず、強制執行を告げると、「追い出されたら困る。あとひと月まってくれ」と、一か月前と同じことを繰り返す。
結局、大家さんと入居者共通の友人である僧侶が仲にはいり、しばらく寺の境内に荷物を置くことで立ち退いてくれた。
ちなみに、「家族ぐるみ」ということだが、入居者の奥さんは、子供を連れて3年ほど前に秋田の実家に帰っていた。入居者は一人暮らしをしていた。

その入居者は、非常にお人よしの人で、いわゆる「敵をつくらない人」だった。しかし、そういう人のよさだけでは、逆に周りに迷惑をかけるという典型例である。かっては、高級外車の輸入販売を手掛け、はぶりがよかったのだが、詐欺商法にひっかかって、会社を倒産させたのだ。人のよさで事業を興し、人のよさで失敗した人だった。

その入居者は、しばらくお寺の一角に泊まっていたが、数日後、姿を消した。以来、誰も、その入居者の噂をきいたことがない。
今は、どこで何をしているのか、あれから10年以上たつが、時々、いかにもお人よしの風貌とともに、彼のことを思いだす。

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