忍者ブログ

建物明渡・欠陥住宅不動産弁護士+知財

不動産投資歴30年の弁護士が、不動産投資や管理のコツ、賃料滞納による建物明渡について、日々の雑感を綴ります。時々、脱線して、カメラや相撲に話題がとびます。

2017/10    09« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  »11
家賃滞納・建物明渡・欠陥住宅の相談は、不動産案件取扱件数トップレベルの森法律事務所へ
http://www.mori-law-office.com/fudousan/index.html
03-3553-5916


債務者が大家さんのときは、債権回収の手段として、しばしば不動産賃料を差し押さえます。差し押さえた後に、債務者である大家さんが、別の人に不動産を譲渡してしまったら、その差し押さえはどうなるのでしょう。

第一の例
アナタは、Aさんにお金を貸していますが、Aさんがお金を支払ってくれません。そこで、アナタは、Aさんが持っている貸家の家賃を差し押さえました。そうなると、入居者Bさんは、賃料をアナタに支払うことになり、Aさんは、家賃がもらえなくなります。
Aさんは、このままでは賃料が入ってこないから、所有していても無駄だと考え、Cさんに譲渡しました。
Aさんに対する賃料差押の効力は、Cさんに及ぶでしょうか。Bさんが賃料を支払うのは、アナタでしょうか、Aさんでしょうか。


第二の例
アナタは、Aさんにお金を貸していますが、Aさんがお金を支払ってくれません。そこで、アナタは、Aさんが持っている貸家の家賃を差し押さえました。そうなると、入居者は、賃料をアナタに支払うことになり、Aさんは、家賃がもらえなくなります。
Aさんは、このままでは賃料が入ってこないから、所有していても無駄だと考え、入居者であるBさんに譲渡しました。
Bさんは、自分のものになっても、アナタに賃料を支払うべきでしょうか。それとも、もう賃料を支払う必要はないのでしょうか。

第1の例について最高裁は次のように判断しました。
建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に、建物が譲渡され賃貸人の地位が建物譲受人Cに移転したとしても、建物譲受人Cは、賃料債権の取得を差押債権者に対抗することができず、今後も、賃料債権をアナタに支払うべきである(最高裁平成10年3月24日判決)
(アパートを落札される方は、家賃がどうなっているのか注意しなければなりません。家賃が差し押さえされているアパートを落札しても、最高裁の判例だと、所有権の取得を家賃取得者に対抗できず、家賃が取得できないことになります)

第2の例について最高裁は、次のように判断しました。

賃貸人Aが賃借人Bに賃貸借契約の目的である建物を譲渡したことにより賃貸借契約が終了した以上は、その終了が賃料債権の差押えの効力発生後であっても、差押債権者であるアナタは、第三債務者である賃借人Bから、当該譲渡後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることができない。
 ただし、賃貸人と賃借人との人的関係、当該建物を譲渡するに至った経緯及び態様その他の諸般の事情に照らして、賃借人において賃料債権が発生しないことを主張することが信義則上許されないなどの特段の事情がある場合は、この限りでない。

最高裁の判例では、同じ賃料差押後の譲渡でありながら、譲受人が、賃借人か賃借人以外かで結論が異なることになります。
この矛盾について、解説者は、「平成10年判決は、賃貸借契約が存続し賃貸人たる地位が建物譲受人に移転することを前提として、賃料債権の帰属が争われたものであり、賃貸借契約が終了し賃料債権の存否自体が問題となる本件とは場合を異にする」と説明しています。
理屈はそのとおりですが、ちょっと釈然としないものがありますね。

にほんブログ村 その他生活ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村


追伸
是非、ご購入ください。


最新版
図解で早わかり 借地借家 法
森公任 監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3945
三修社  定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「賃貸借契約を締結すると、貸主と借主は長期間にわたってつき合うことになります。
長期の契約の間に貸主と借主との間でトラブルが生じてしまう可能性は決して低くありません。
本書は、借りる側、貸す側のどちらの立場からも必要となる借地借家法の基本事項を中心に解説しています。
賃貸借契約においてしばしばトラブルになりやすい、敷金・賃料・必要費・有益費といった金銭がらみの問題は、図表を使いながらわかりやすく説明しました

「最新 図解で早わかり
改正対応! 相続・贈与の法律と税金」
森公任 ・ 森元みのり 監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3992
三修社  定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「本書では、相続分や遺産分割、遺言など相続のしくみについて詳細に解説するとともに、相続税や贈与税のしくみ、教育資金の一括贈与に伴う贈与税の改正など平成25年度の税制改正についてわかりやすく解説しています。
さらに遺言書や相続手続きにそのまま利用できる書式なども掲載し、相続手続きをスムーズに進めることができるよう工夫しました。」



PR

カレンダー

09 2017/10 11
S M T W T F S
1 2 3 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

フリーエリア

最新CM

[01/23 サイズ]

最新TB

プロフィール

HN:
森 公任
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

アクセス解析

<< Back  | HOME Next >>
Copyright ©  -- 建物明渡・欠陥住宅不動産弁護士+知財 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by もずねこ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]