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建物明渡・欠陥住宅不動産弁護士+知財

不動産投資歴30年の弁護士が、不動産投資や管理のコツ、賃料滞納による建物明渡について、日々の雑感を綴ります。時々、脱線して、カメラや相撲に話題がとびます。

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借家人に出て行ってもらうさい、正当事由を補強するため、立退き料の支払いを申し出る。大家が、正当事由があるとして明け渡しを求めるときは、必ず、この正当事由の問題に直面する。
この立退き料は、借地借家法施行以前には、法律のどこにも規定がなく、しかし、裁判では、当たり前のように主張されていた不思議な概念だった。
借地借家法の28条で、ようやく、「明渡の正当事由の判断にあたり、賃貸人が申し出た立ち退き料の額を考慮して正当事由を判断する」と規定されるにいたった。

ところで、この立退き料と正当事由の関係はどうかというと、全く不明である。

賃貸人側の通説的な見解は、「正当事由がないとき、あるいは不足するときに、これを補完するため」に支払われるのが立ち退き料だ、という考えである。
例えば、明渡が認められる正当事由を100点としたとき、賃貸人の正当事由が50%点しか立証できないとき、残りの50点を補完するのが立退き料だという考えである。100点を立証できれば、立退き料は不要ということになる。

これに対し、賃借人側から主張されるのが、立退き料は、正当事由を立証できたときに、「賃借人の経済的損害を補填するため」の制度であり、正当事由の不足を補完するような性質のものではない、という考えである。
例えば、明渡が認められる正当事由を100点としたとき、賃貸人の正当事由が50%点しか立証できないときは、立退き料は問題にならない。100点を立証できたときに、初めて立ち退き料をいくらにするかという問題になる、という考えである。

この問題を正面から論じた判例はなく、判例自体が、色々な基準を適当に言っており、そこには全く統一性はない。同じ裁判官が、異なる判決で、異なる見解を平気で述べたりする。
離婚原因とか解雇理由なども、「正当事由」の判断同様、裁判官の裁量に委ねられる部分が大きいとはいえ、ある程度の予測はできる。ところが、正当事由の判断になると、その「ある程度の予測」さえできない。

しかし、本来、ここは、正当事由による明渡を求める訴訟での基本中の基本だから、この根っこの部分がいい加減だと、正当事由の認定や立ち退き料の金額について、客観的な判断ができないことになる。事実、正当事由による明渡を求める裁判の勝敗は、ほとんど予測不能である。

正当事由による明渡を求める裁判は、表現は悪いが、ある意味、丁半博打に似ているところさえある。「センセ、この裁判勝てますか」という質問に、まともに答えられない唯一の分野が、この「正当事由による明渡」である。(続く)

[OMAKE];
瀬戸内に浮かぶ大久野島に行ってきました。下の写真左は、そのウサギです。右の写真は、島で見かけた不思議な集団です。どちらもクリックすると拡大します。


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