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ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記

森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。

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[合意更新の場合]
当事者間で、次の契約内容を合意し更新契約をした場合、契約書に更新料の支払いが明記されていれば、それが不当の高額でない限り、賃借人は、更新料を支払う義務があります。
この更新料支払特約が有効なこと、これにより、過払い専門ハゲタカ法律事務所が虎視眈々と狙っていた更新料返還ビジネスが頓挫したことは、前回のブログで述べたとおりです。

それでは、法定更新の場合にも、更新料支払特約があれば、賃貸人は、更新料支払請求ができるでしょうか。

[法定更新の場合]
「借地借家法」では、貸主が借主に対して、
契約期間満了の1年前から6カ月前までの間に、
正当な理由のある更新拒絶の通知をするか、条件を変更しなければ更新しないという通知をしない限り、
契約は前と同じ条件で自動的に更新される
と規定されており、これを「法定更新」といいます。

[法定更新で更新料支払特約がない場合]
更新料支払いについて合意がない場合、更新料を支払わなくても契約が自動的に更新されますから、借主は更新料を支払う必要はありません。判例も、借地に関する事案ではありますが、「更新料の支払い義務は慣習上認められるものではない」としています(最高裁/昭和51年10月1日)。

[法定更新で更新料支払特約がある場合]
更新料支払特約がある場合は、ケースバイケースです。
「合意により更新できるが、更新料を支払え」という趣旨の賃貸借契約なら、合意更新の場合の更新料を定めた場合です。
しかし、「賃貸借契約が更新されたときは、合意更新であると法定更新であるとを問わず、借主は、更新料として、新賃料の1カ月分を貸主に支払わなければならない」と書かれている場合には、更新料を請求できる可能性があります。

この点は、法定更新の場合にも更新料を支払う必要があるとするもの(東京地裁/昭和61年10月15日判決)と、法定更新の場合には更新料を支払う必要はないとするもの(東京地裁/平成2年7月30日判決)があり、判断が分かれています。

最近の注目すべき判例に東京地裁 平成23年11月30日判決があります。
事案の概要は、以下の通りです。
1、更新料支払特約があった。
2、賃借人は、合意更新ができた場合のみ支払うものだと考えていた。
3、賃貸人は、更新から2年経過後、1週間以内に更新料を支払わなければ、解除すると通知した。
4、賃借人は、不満に思いながらも、期間経過後数日してから更新料を支払った。
5、賃貸人は、期間内に更新料支払特約がなかったとして契約を解除した。

判例は、以下のように判断し、賃貸借契約の解除を認めませんでした。

1、更新料支払合意が成立しており、たとえ法定更新でも、本合意は法定更新を除く趣旨とは考えられないから、更新料の支払い義務はある。

2、しかし、約定の支払期日を2年も経過したとしても、また催告期限を過ぎた後に支払ったとしても、本件では、賃貸借契約を解除できない。
なぜなら
① 当惑しながらも、催告期限の9日後には更新料を全額支払っている
② これまで約定の賃料及び共益費を遅滞なく支払ってきたことに鑑みると、賃借人には更新料の支払意思も支払能力もあったものであり、支払が遅滞したのは、ただ単に更新合意書を取り交わすまでは更新料は支払わなくてよいものと認識していたためであって、かつ、その認識については、賃貸人にも原因があった。
したがって、信頼関係を破壊していると求めるに足りない特段の事情があるというべきである。


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