ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記
森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。
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http://www.mori-law-office.com/fudousan/index.html
03-3553-5916
賃貸、売買、欠陥住宅、そのほか不動産に関するご相談を承っております。何時でもお電話ください。
建物を建設する際、基礎を掘る。あるいは、地盤が軟弱たため、敷地に柱状改良工事を行い地盤改良工事を行う。
こういう場合、地面を深く掘ったり、地盤改良や杭打設などの工事するから、当然、隣の建物の敷地に影響を与え、その隣地の人の家が傾く場合がある。これは、結構、聞く話で、特に建物が密集する都会にでは、珍しいトラブルではない。自分も、今まで、何度かこういう事件の依頼や相談を受けたことがある。
こういう場合、建築会社は、どこまで責任を負うか。
建築会社は、こういうトラブルに備えて、「もし隣地が傾いたら、建築会社に過失があっても、施主が責任を負いなさい。建築会社は責任を負いません」と堂々と規定している約款に出会ったことがある。それも一度や二度ではない。そのときは、あきれて唖然としたが、こういう約款は、結構、今でも多いのではないか。
しかし、建築会社に過失がある場合まで建築会社は責任を負わず施主が賠償責任を負担しろというのは、あまりにも身勝手な約款で、少なくとも、消費者が施主の時は、裁判所は、その効力を認めないだろう。
建築会社は、いくら約款で責任を施主に転嫁しようとしても、過失がある場合は、賠償責任を負担すると覚悟しておいたほうがいい。
施主に責任転換が難しいとなると、建築会社としては、過失の有無をあらそうしかない。過失の基準は、「尽くすべき調査を尽くしたかどうか」である。
尽くすべき調査を尽くさなかったから、隣地の建物が傾いんたんだろうと思われがちだが、必ずしも、そうではない。
それは隣地の施工業者に手抜き工事等があった場合である。もともと軟弱地盤なのにそれに対応する造成工事や基礎工事をしていなかった。一方、建設業者は、本来、行うべき調査・工事は行っていた、こうなると、建設会社は賠償責任を負う必要はない。
ただ、「軟弱地盤なのにそれに対応する造成工事や基礎工事をしていなかった」かどうかは、その隣地の建物の建設時を基準として判断する。昔は、この点の規制は、かなり緩かったから、隣地の建物が昔に建てられていたとなると、当然、施工業者は、隣地の建物は、ちゃんと軟弱地盤に対応した工事をしたのか調査すべきで、これをせず、漫然と工事をし、隣の建物が傾いたら、賠償責任を負担せざるを得ない。
これに対し、最近建築された建物なら、業者は、当然、隣地の建物はきちんと法令を遵守して建物を建てたんだろうと信頼し、それを前提として、工事を行えば賠償責任は負うことはない。この場合は、隣地の建物を建設した業者が、隣地の方に賠償責任を負うことになる。
浦和地裁平成13年3月29日判決は、隣家の基礎工事等が不十分で、軟弱地盤対策を講じていないことは予見不可能であり、隣の建物が軟弱地盤に未対応ということを前提に建物を建築する法的義務はないとして、建築会社の過失を否定している。
なお、トラブルを避けるためにも、工事前と後に家屋調査を行い、工事期間中の変化を正確に把握できるようにしておくべきです。
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図解で早わかり 借地借家 法
森公任 監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3945
三修社 定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「賃貸借契約を締結すると、貸主と借主は長期間にわたってつき合うことになります。
長期の契約の間に貸主と借主との間でトラブルが生じてしまう可能性は決して低くありません。
本書は、借りる側、貸す側のどちらの立場からも必要となる借地借家法の基本事項を中心に解説しています。
賃貸借契約においてしばしばトラブルになりやすい、敷金・賃料・必要費・有益費といった金銭がらみの問題は、図表を使いながらわかりやすく説明しました。
「相続・遺言をめぐる法律と税金トラブル解決法129 」
森 公任 , 森元 みのり共同監修
1,944円(税込)1,800円(税抜) 三修社
「非嫡出子の相続分改正や
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【本書でとりあげる主なテーマ】
相続の基本ルール/遺産分割/遺言書の書き方/相続財産の評価/相続税・贈与税のしくみ/税金対策/相続問題をサポートする機関や相談先/公正証書作成/調停や審判の手続き/相続登記/申告手続き など「ケース別相続分早わかり」など、豊富な図解とQ&Aで相続問題を平易に解説!
「図解で早わかり 倒産法のしくみ」
森公任 森元みのり 共同監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054
(楽天ブックのベストセラーで、大学のテキストとしても広く利用されています)
定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
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