ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記
森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。
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http://www.mori-law-office.com/fudousan/index.html
03-3553-5916
賃貸、売買、欠陥住宅、そのほか不動産に関するご相談を承っております。何時でもお電話ください。
最近、集中豪雨で、土砂崩れが発生し、その上に建築した建物が崩壊したというニュースを、しばしば聞きます。なかには死亡事故が発生する場合もあります。こんなとき、被害者の怒りは、その土地を造成した業者にむかうことは容易に想像されます。
造成業者の責任については、最高裁は、平成19年7月6日判決で、「造成業者は、擁壁の造成の際、周囲の宅地・建物居住者の生命、身体、財産を危険にさらすことがないよう、安全性を確保すべき注意義務を負う」と判断しています。
その基準となるのは、土砂崩れを引き起す原因となった災害が予見できるようなものかどうかです。
例えば、昭和49年に静岡県賤機山で起きた土砂災害で、静岡地裁平成4年3月24日判決が擁壁工事について、業者の責任を認定するにあたり、「この程度の降雨量は・・・・・・過去の観測データーにおいても数回あることが認められる」として、業者の責任を認定しています。判決を分析すると
① 本件斜面は、およそ30度ないし40度の急傾斜地となっている。
② 本件柵板工土留は、豪雨時に背面からの土圧及び水圧によって崩壊する危険がある場所である。
③ その下方に、本件事故の被災者の建物が多数所在していた。
④ 本県柵板工土留は降り始めからの積算雨量が、約229.5mmに至るまでに崩壊している。
⑤ この程度の降雨量は、過去の観測データーにおいても数回あることが認められる。
として、本件柵板工土留は、山の尾根下沿いの急斜面の土留として通常要すべき安全性を欠いており、瑕疵があった
と判断しています。
したがって、想定される範囲での降雨量では崩壊しないと技術的に評価できないと、造成業者が損害賠償責任を負う可能性があります。
そうすると問題になるのは、どの程度なら「想定される範囲」か否かと言うことになります。
過去に前例のない、想定できないような大雨が降り、そのレベルの降雨量で初めて崩壊した場合などは、造成業者には責任がありません。
しかし、過去に前例がある降雨量なら、「想定内」と判断されるリスクはあります。しかも、最近は、大雨が降るたび、未曽有の大雨、五十年に1度の大雨などという単語がニュースで連発されています。「未曽有の大雨、五十年に1度の大雨」が、日本全国、あちこちで、頻繁に降り注いでいます。
未曽有の大雨も一度降れば、未曽有ではなくなります。現在では、「想定の範囲」のレベルは、かなり高くなっていると考えざるをえません。
造成工事業者は、「業界では、この程度が常識だ」と安易に考えず、1000年に一度の大雨でも対応できるくらいの周到性が必要です。
なお、土砂災害防止について、国は、「砂防法」、「地すべり等防止法」、「急傾斜地の崩落による災害の防止に関する法律」、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」の4法で、土砂災害の危険性の回避や建築等の制限を行っています。これらは、宅地建物取引業法上の重要事項説明の対象です。
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「図解で早わかり 借地借家 法」
森公任 監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3945
三修社 定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「賃貸借契約を締結すると、貸主と借主は長期間にわたってつき合うことになります。
長期の契約の間に貸主と借主との間でトラブルが生じてしまう可能性は決して低くありません。
本書は、借りる側、貸す側のどちらの立場からも必要となる借地借家法の基本事項を中心に解説しています。
賃貸借契約においてしばしばトラブルになりやすい、敷金・賃料・必要費・有益費といった金銭がらみの問題は、図表を使いながらわかりやすく説明しました。
[専門家向け書籍]
「簡易算定表だけでは解決できない養育費・婚姻費用算定事例集」
新日本法規出版株式会社
編著/森公任(弁護士)、森元みのり(弁護士)
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_50910.html
■価格(税込):3,780円
平成27年9月発売
「★適切な養育費・婚姻費用を算定するために!
◆「養育費・婚姻費用算定表」を単純に適用できない、さまざまな事情を抱えた事例を取り上げ、増額や減額の要因となる事情別に分類しています。
◆各事例では、算定上の「POINT」を示した上で、裁判所の判断やその考え方についてわかりやすく解説しています。
◆家事事件に精通した弁護士が、豊富な経験を踏まえて執筆しています。 」
[一般向け書籍]
1.夫婦親子関係
「カラー版 一番よくわかる 離婚の準備・手続き・生活設計」
共同著編者 森 公任・森元 みのり
2015年07月 発売
http://www.seitosha.co.jp/2_3950.html
2.遺産相続関係
「図解 相続・贈与・財産管理の法律と税金がわかる事典」
森 公任・森元 みのり 共同監修
2015年05月 発売
定価: 1,944円(本体:1,800円+税)
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4172
「最新 図解で早わかり
改正対応! 相続・贈与の法律と税金」
森公任 ・ 森元みのり 共同監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3992
3.倒産法関係
「最新 図解で早わかり 倒産法のしくみ」
森公任 ・ 森元みのり共同 監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054
(大学の倒産法授業でもテキストとして利用されているべストセラーです)
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最近、集中豪雨で、土砂崩れが発生し、その上に建築した建物が崩壊したというニュースを、しばしば聞きます。なかには死亡事故が発生する場合もあります。こんなとき、被害者の怒りは、その土地を造成した業者にむかうことは容易に想像されます。
造成業者の責任については、最高裁は、平成19年7月6日判決で、「造成業者は、擁壁の造成の際、周囲の宅地・建物居住者の生命、身体、財産を危険にさらすことがないよう、安全性を確保すべき注意義務を負う」と判断しています。
その基準となるのは、土砂崩れを引き起す原因となった災害が予見できるようなものかどうかです。
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① 本件斜面は、およそ30度ないし40度の急傾斜地となっている。
② 本件柵板工土留は、豪雨時に背面からの土圧及び水圧によって崩壊する危険がある場所である。
③ その下方に、本件事故の被災者の建物が多数所在していた。
④ 本県柵板工土留は降り始めからの積算雨量が、約229.5mmに至るまでに崩壊している。
⑤ この程度の降雨量は、過去の観測データーにおいても数回あることが認められる。
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と判断しています。
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しかし、過去に前例がある降雨量なら、「想定内」と判断されるリスクはあります。しかも、最近は、大雨が降るたび、未曽有の大雨、五十年に1度の大雨などという単語がニュースで連発されています。「未曽有の大雨、五十年に1度の大雨」が、日本全国、あちこちで、頻繁に降り注いでいます。
未曽有の大雨も一度降れば、未曽有ではなくなります。現在では、「想定の範囲」のレベルは、かなり高くなっていると考えざるをえません。
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なお、土砂災害防止について、国は、「砂防法」、「地すべり等防止法」、「急傾斜地の崩落による災害の防止に関する法律」、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」の4法で、土砂災害の危険性の回避や建築等の制限を行っています。これらは、宅地建物取引業法上の重要事項説明の対象です。
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森公任 監修
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長期の契約の間に貸主と借主との間でトラブルが生じてしまう可能性は決して低くありません。
本書は、借りる側、貸す側のどちらの立場からも必要となる借地借家法の基本事項を中心に解説しています。
賃貸借契約においてしばしばトラブルになりやすい、敷金・賃料・必要費・有益費といった金銭がらみの問題は、図表を使いながらわかりやすく説明しました。
[専門家向け書籍]
「簡易算定表だけでは解決できない養育費・婚姻費用算定事例集」
新日本法規出版株式会社
編著/森公任(弁護士)、森元みのり(弁護士)
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平成27年9月発売
「★適切な養育費・婚姻費用を算定するために!
◆「養育費・婚姻費用算定表」を単純に適用できない、さまざまな事情を抱えた事例を取り上げ、増額や減額の要因となる事情別に分類しています。
◆各事例では、算定上の「POINT」を示した上で、裁判所の判断やその考え方についてわかりやすく解説しています。
◆家事事件に精通した弁護士が、豊富な経験を踏まえて執筆しています。 」
[一般向け書籍]
1.夫婦親子関係
「カラー版 一番よくわかる 離婚の準備・手続き・生活設計」
共同著編者 森 公任・森元 みのり
2015年07月 発売
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2.遺産相続関係
「図解 相続・贈与・財産管理の法律と税金がわかる事典」
森 公任・森元 みのり 共同監修
2015年05月 発売
定価: 1,944円(本体:1,800円+税)
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「最新 図解で早わかり
改正対応! 相続・贈与の法律と税金」
森公任 ・ 森元みのり 共同監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3992
3.倒産法関係
「最新 図解で早わかり 倒産法のしくみ」
森公任 ・ 森元みのり共同 監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054
(大学の倒産法授業でもテキストとして利用されているべストセラーです)
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