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ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記

森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。

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長引く不況を反映して、やたらと家賃滞納トラブルが多い。家賃は、公共料金と同じく生活必需品だから、家賃を滞納するというのは、もはや入居者の生活がぎりぎりまで追い詰められているということだ。

大家としては、「家賃を滞納されたらどうするか」というよりも、「家賃を滞納されないようにするにはどうするか」を考えることが必要だ。

まず当然の話だが、滞納すると思われるような入居者を入居させないことだ。入居者がなかなか決まらないときは、不動産屋が斡旋してきた怪しい入居者でも、あせってとびついてしまうが、そういう入居者を仲介する業者ほど、いざとなると「うちは仲介しただけで、そういうトラブルは関係ありません」と開き直る。

連帯保証人も、しっかりと確保する必要がある。往々にして、形だけで連帯保証をとる場合もあるが、これでは意味がない。
やはり、しっかりした連帯保証人を確保して賃貸すべきだし、そういう連帯保証人が確保できないような入居者希望者は断るべきだろう。

入居者を厳選し、連帯保証人を確保しても、それでも滞納者はでる。これを防止するには、大家あるいは管理会社が、常日頃から、入居者と親しく交際する必用がある。
人は誰でも、親しい人への支払いは優先するものである。

それでも、滞納する者は滞納する。こういう場合は、即時に対応することが必要だ。人間の大きいところを見せよう、あるいは、良い人と思われたい、などと鷹揚に構えていると、入居者になめられ、家賃を平気で滞納するようになる。

家賃滞納者をださないようにするといっても、以上のような防止策しかない。
それでも滞納が始まったら、素早く対応するしかないが、何よりも発想の転換が必要だ。損が発生するのは当然として、どうしたら損失を最小減に抑えるかと思考方法を変えるのだ。

多くの大家さんは、家賃滞納が始まると、ともかく家賃を回収することを優先する。「来月支払う」とか「ボーナスの時にまとめて支払う」などという入居者の言葉にとびつき、ひたすら支払いを待つようになる。その結果、滞納家賃の額は、どんどん膨らむ。すると大家は、追い出しをかけるどころか、「家賃を滞納したまま夜逃げするのではないか」と心配し、ひたすら家賃の回収ばかり考え、ますます滞納家賃が膨れ上がる。
かくて弁護士のところに相談がくる段階では、滞納家賃が膨れ上がり、あげくは弁護士から「滞納家賃の回収はあきらめたほうがいい」と言われ、さらに強制退去にかかる費用を聞いて、愕然とするのである。

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建物明け渡しには、正当な理由が必要で、単に「契約が終了した」というだけでは、不十分である。これは、大家さんなら、だれでも知っているはずである。
問題は、いかなる場合に「正当理由」があるかで、これがわからない。

バブル崩壊前の借家法には、正当理由について、なんの規定もなく、わずかに借地法に「自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合」と規定するのみである。
ところが、バブル崩壊直後に施行された借地借家法では、次のような事情があげられている。
1、建物の使用を必要とする事情
2、建物の賃貸借に関する従前の経過
3、建物の利用状況
4、建物の現況
5、財産上の給付(立ち退き料)

注目すべきは、「土地の存する地域の状況」という概念は、この正当理由の判断には含まれていないということだ。立法時には検討されたようだが、立法作業中は、日本をバブルの嵐が吹き荒れていたこともあり、意図的に削除されたようだ。

当時、つまり今から20年前は、この借地借家法の改正でも、正当理由の判断基準には何の変化もないといわれ、事実、法文の変更を意識した裁判例はなかった。
しかし、その後の判例の動きをみると、バブル前と土地神話が崩壊した現代とでは、「正当理由」にも、かなり変化がでてきたことは確かなようだ。それは、一言でいえば、「借家人保護の思想から不動産の公共的利用を重視する思想への変化」といえよう。

バブル崩壊前は建物の絶対数が不足する一方で人口も爆発的に増加し続けた。借家人は家を追い出されても、かわりの借家がなかなか見つからない状況だった。借家は、供給が需要に追い付かず、オーナーの横暴から、弱い立場の借家人を守る必要があった。借家権という概念も、このころ盛んに言われた。
しかし、現在は、全く状況が異なる。
人口、特に借家を求める若い層の人口が劇的に減少する一方、アパートはどんどん供給され続けた。借家を追い出されても、ほかの適当な物件を見つけることが容易になった。
こういう状況下では、かってのような借家人保護の思想は風化するのは当然である。その一方で、都心部や駅前のような貴重な土地は、その有効利用が強く望まれる。
かくて現在の借家に関する思想は、一言でいえば、「借家人保護から不動産の公共的利用重視」へと移りつつあるといえよう。

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最近、建築業者が、地主に一括借り上げ方式でのアパート建築を持ちかける例が非常に多く、同時に、トラブルも多発している。
建築会社「私どもにアパートを建てさせてもらえませんか?」
地主「そうはいっても、ローンが払えるか心配だ」
建築会社「大丈夫です。私どもが30年間、家賃を保証します。家賃でローンを支払えばいいでしょう。」
地主「ええ?!神様みたいなお方じゃのぉ、よし、あんたんとこでアパート建築させてもらおう!!」

まあ、大体、こんなパターンである。世の中にうまい話はないとわかっていても、勧める業者は、それなりに世間的に名の知れた会社だから、ついつい信用して契約する。
最初の10年ほどは蜜月時代が続くが、アパートが古くなり、アパートの市場価値が低くなり、競争力が衰えると、トラブルが勃発する。

一番多い誤解は、大家さんが、「30年間、同一金額で絶対に家賃保証をしてくれる、自分は30年間何もしないで左うちわの生活が送れる」と思いこんだことによるトラブルである。

もともと、この一括借り上げ方式は、建築会社が、建築を受注するための手段として考案されたものだが、断言できることは、「日本全国、どのサブリース契約書を見ても、「30年間、同一家賃を保証します」なんて、条項は絶対にない」ということだ。
一つのパターンは、「契約の枠は一応30年間だが、それは、最長、30年間は、更新を繰り返すことができるにすぎない」というものだ。契約期間そのものは2,3年という短期の場合が多い。
「契約期間が30年だとしても、一定期間を過ぎれば、サブリース会社側から契約を解除できる」というパターンも多い。
また、「契約期間は30年だが、途中でサブリース会社は、家賃の減額請求ができ、応じなければ、契約解除できる」というパターンも多い。

いずれのパターンでも、会社側からは自由に解約や更新拒否ができるが、大家から解約すると、かなりのペナルティを支払わなければならないという条項が一般的である。

さらに、ほとんどの契約が、「家賃保証」はするが、建物維持に要する修繕費などは、大家負担となっている。
建物の耐用年数経過とともに、建物維持に要するコストは、飛躍的に増えて行く。家賃が同額を保証されても、それ以上に支出が増えて行き、利益はどんどん削られていく。保証するのは「家賃」保証であり、「利益」保証ではないのだ。

ここからわかるように、家賃保証は、アパート経営に伴うリスクを会社が負担する制度ではない。家賃保証があっても、会社側は、自由に減額請求ができるし、解除や更新拒否もできる。リスクは、やはり、大家さんが負担することになっているのだ。会社はノーリスクを前提として、利益のあがる限度で、大家さんとして行うべき面倒な手続きを代行してくれるにすぎない。

しかも、30年間家賃保証として建てたアパートの建築費は、相場よりもかなり高いことがほとんどだ。相場の数倍という例も珍しくない。建築業者に聞くと、「えー、そんなにべらぼうな建築費なんですか!」とその坪単価の高さにびっくりする。

建築会社が持ち込む「家賃30年保証のご提案」などは、相手にしないほうがいい。

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これまで何度も、執行官や立会人の方と建物明け渡しの強制執行を行ってきた。執行官を連れて行って明け渡しの催告をしても、なお出て行かないという人は、やはり、個性的な方が多い。
このことは、前回のブログで述べた。

記憶に残る事件の二番目は、執行官と一緒に行ったとき、洗濯物を干していた入居者である。
1か月目に、執行官や立会人の方とともに、現地に行き、一ヶ月後に明け渡すことを予告した。その際、入居者は、「必ず退去します」と真摯に約束した。
ところが、大家さんの話では、全然出ていく気配がないという。で、当日になり、立会人や執行官、多数の立ち退き業者と現地に行くと、入居者は、ちょうど、2階のベランダで洗濯物を干しているところだった。
目と目があったので、
「○○さん、何をしているんですか」
「あー、どうも、天気がいいんで洗濯したんですよ」
「今日は、立ち退きの日でしょう」
「えー、そうでしたか?」

入居者は、急いで玄関に降りてきて、
「すっかり忘れていた。あとひと月まってくれ」
という。
自分が、拒否すると、大家さんを呼んでくれという。
「大家さんとは、10年来の付き合いだ。きっと話せばまってくれるはずだ」
自分が、その大家さんから「今日こそは強制的に退去してくれ」と頼まれてきたのだ、と告げても信じない。「自分は、10年来、大家さんと家族ぐるみのつきあいをしてきた、そんなことを言うはずがない」と主張を繰り返す。
やむを得ず、強制執行を告げると、「追い出されたら困る。あとひと月まってくれ」と、一か月前と同じことを繰り返す。
結局、大家さんと入居者共通の友人である僧侶が仲にはいり、しばらく寺の境内に荷物を置くことで立ち退いてくれた。
ちなみに、「家族ぐるみ」ということだが、入居者の奥さんは、子供を連れて3年ほど前に秋田の実家に帰っていた。入居者は一人暮らしをしていた。

その入居者は、非常にお人よしの人で、いわゆる「敵をつくらない人」だった。しかし、そういう人のよさだけでは、逆に周りに迷惑をかけるという典型例である。かっては、高級外車の輸入販売を手掛け、はぶりがよかったのだが、詐欺商法にひっかかって、会社を倒産させたのだ。人のよさで事業を興し、人のよさで失敗した人だった。

その入居者は、しばらくお寺の一角に泊まっていたが、数日後、姿を消した。以来、誰も、その入居者の噂をきいたことがない。
今は、どこで何をしているのか、あれから10年以上たつが、時々、いかにもお人よしの風貌とともに、彼のことを思いだす。

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これまで何度も、執行官や立会人の方と建物明け渡しの強制執行を行ってきた。
執行官を連れて行って明け渡しの催告をしても、なお出て行かないという人は、やはり、個性的な方が多い。
一番、強烈な印象に残っている人は、自分の体を柱にしばりつけ、しかも、木刀を持って我々(執行官、立会人、弁護士)を待っていた人である。彼が言うには、「おれはわざと家賃を滞納したわけではない。リストラされて家賃を払えなくなったのだ。お前らも人間なら、おれの哀しみがわるだろう。にもかかわらず、強制的に追い出そうとするなら、おれは、命をかけて抗議する」。

しかし、そういわれても、リストラされた方の救済は、国が行うべき問題で、家主に経済的な犠牲を強いて解決するような問題ではない。その「哀しみ」は、国と解雇した会社に向けるべきで、関係のない大家に向けられても、大家も困惑するだろう。

執行官は、この光景を見て、かなりためらったが、立会人の方は、すでに人数を手配し、強制執行の準備をしている。ここで引き返しても、立会人には、高額の費用を払わなければならない。執行官も、そのあたりはわかっているから、「まあまあ、あなたのお気持ちはわかりますが」と懸命に説得してくれた。

結局、執行官が上手に説得してくれて、その入居者の方は、自発的に立ち退いてくれた。今から、20年以上前の話だが、いまだに強烈な印象が残っている。

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