ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記
森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。
家賃滞納・建物明渡・欠陥住宅の相談は、不動産案件取扱件数トップレベルの森法律事務所へ
http://www.mori-law-office.com/fudousan/index.html
03-3553-5916
賃貸、売買、欠陥住宅、そのほか不動産に関するご相談を承っております。何時でもお電話ください。
かって不動産価格や不動産賃料が高騰した平成初期、賃借権は造作権譲渡という名目で、けっこう売買されていました。今は、一時ほどではないけど、時折、賃借権が売買の対象にされています。主に造作設備にお金のかかる飲食店とか美容院といった店舗を、造作をつけたまま新しい経営者に売却するときに利用されます。
さて、この賃借権譲渡というのは、賃料を支払うという債務と目的物を利用できるという債権から構成される「賃借人たる地位の移転」、つまり契約上の地位の移転であり、単なる債務の移転でも、利用権の移転でもありません。
例えば、アナタが飲食店経営者Aに店舗を期間2年で貸し、Aは、そこで居酒屋を営んでいた。しかし、1年後、経営が思わしくなく、その居酒屋をBに譲渡することにした。こういう場合の法律関係を考えてみます。
Q1、この場合、アナタとBとの間で、新たに賃借権が設定されたと考えるべきか。
もしAとの賃貸借期間が1年しかないとき、Bの取得した賃借権は1年か、それとも期間2年か。
A1、1年である。
従前の賃借権が移転されただけであり、新たな賃借権が設定されたわけではありません。従って、残存期間は1年になります。
ただ、アナタとBとの間で、これとは異なる定めをすることも可能です。
Q2、Aに滞納賃料があるが、新たに店舗を譲り受けたBがその賃料を支払わないとき、Aは債務不履行を理由としてCとの契約を解除できるか。
A2、解除できない。
Bは契約上の地位を取得しただけで、すでに発生している債務については責任を負わない。もちろん、通常は、アナタとB・Cとの間で、特約を結ぶはずで、その特約で処理されることになるだろう。
Q3、アナタはいったん賃貸借譲渡を承諾したが、Aは滞納賃料を払おうとしない。アナタは、考えなおし、AとBが、正式な賃借権譲渡契約を締結する前に、譲渡承諾の撤回をした。有効か
A3、撤回できない。
BからCへの賃借権譲渡を承諾するという契約が、AとBとの間で成立している。格別の合意があれば解除できるが、合意がない以上、解除はできない。〔最高裁判例昭和30年05月13日〕
この場合、アナタは、滞納賃料の清算を承諾の条件とする合意をすべきであった。
Q4、Cは、アナタに対し、Aの連帯保証人だったが、賃借権がBに譲渡されるにともない当然にBの債務についても連帯保証人になるか
A4、連帯保証人にはならない。
貸主と保証人との間の保証契約は、保証債務の随伴性により、引き続き新たな借主(主たる債務者)の債務についても効力を有し、存続していくことになるのか。
保証債務は、「主たる債務」に対して「随伴性」を有するので、主たる債務に対する「債権」が移転したときは、これとともに移転する。しかし、保証契約は、アナタとの間の契約であり、主たる債務を移転するときは、当然、Cは、新たにアナタと保証契約をする必要がある。
この場合は、保証債務は、Cに移転するにともない、保証する債務がなくなり、付従性により消滅する。もちろん、Bに債務が残っていれば、それについては連帯保証人として責任を負うことになる。
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図解で早わかり 借地借家 法
森公任 監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3945
三修社 定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「賃貸借契約を締結すると、貸主と借主は長期間にわたってつき合うことになります。
長期の契約の間に貸主と借主との間でトラブルが生じてしまう可能性は決して低くありません。
本書は、借りる側、貸す側のどちらの立場からも必要となる借地借家法の基本事項を中心に解説しています。
賃貸借契約においてしばしばトラブルになりやすい、敷金・賃料・必要費・有益費といった金銭がらみの問題は、図表を使いながらわかりやすく説明しました。
「相続・遺言をめぐる法律と税金トラブル解決法129 」
森 公任 , 森元 みのり共同監修
1,944円(税込)1,800円(税抜) 三修社
「非嫡出子の相続分改正や
平成27年1月施行の相続税制改正など、最新の内容をわかりやすく解説! 相続の基本ルールから遺言、財産評価、遺産分割、 相続税・贈与税対策まで。法律・税金の重要事項、手続きを幅広く網羅」
【本書でとりあげる主なテーマ】
相続の基本ルール/遺産分割/遺言書の書き方/相続財産の評価/相続税・贈与税のしくみ/税金対策/相続問題をサポートする機関や相談先/公正証書作成/調停や審判の手続き/相続登記/申告手続き など「ケース別相続分早わかり」など、豊富な図解とQ&Aで相続問題を平易に解説!
「図解で早わかり 倒産法のしくみ」
森公任 森元みのり 共同監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054
(楽天ブックのベストセラーで、大学のテキストとしても広く利用されています)
定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。
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さて、この賃借権譲渡というのは、賃料を支払うという債務と目的物を利用できるという債権から構成される「賃借人たる地位の移転」、つまり契約上の地位の移転であり、単なる債務の移転でも、利用権の移転でもありません。
例えば、アナタが飲食店経営者Aに店舗を期間2年で貸し、Aは、そこで居酒屋を営んでいた。しかし、1年後、経営が思わしくなく、その居酒屋をBに譲渡することにした。こういう場合の法律関係を考えてみます。
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この場合は、保証債務は、Cに移転するにともない、保証する債務がなくなり、付従性により消滅する。もちろん、Bに債務が残っていれば、それについては連帯保証人として責任を負うことになる。
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