ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記
森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。
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http://www.mori-law-office.com/fudousan/index.html
03-3553-5916
賃貸、売買、欠陥住宅、そのほか不動産に関するご相談を承っております。何時でもお電話ください。
不動産売では、よく現状有姿(現況有姿)という言葉が使われます。
「売り主は、本物件を現状有姿にて引き渡す」というような表現の使われたかをします。我々弁護士も、裁判所の和解条項で、「原告は被告に本物件を現状有姿にて引き渡す」という表現を使います。
これは、「現状の、有るがままの姿で引き渡せばいい」という意味で使われています。そこから、瑕疵があっても、売り主は、責任を負わなくていいという意味にも捉えられています。
しかし、よく誤解されているのですが、現状有姿=瑕疵担保責任免除ではありません。
「現状有姿売買」というのは、「現状で、何ら手を入れずに外から見える姿のままで売る」ということです。そこで、売主は、「表に現われている」瑕疵については責任を負いませんが、「隠れている」瑕疵は「表に現われている」瑕疵ではなく、賠償責任の対象になります。
例えば、壁紙が汚れてるとか、壁や床がキズだらけだとか、そういうものについては、「現状で、何ら手を入れずに外から見える姿のままで」売り、そういうキズとか汚れについては、責任は負いませんよという趣旨です。
これに対し、目に見えない、たとえば水回りの欠陥とか、柱の中がシロアリで食われているとか、そういうものは、外から見えるものではなく、現状有姿売買だとしても、売り主は、瑕疵担保責任を負います。
売買契約書には、たいてい、「現状有姿売買につき、売主は瑕疵担保責任を負わない」と規定されています。
この契約文言は、「売主は瑕疵担保責任を負わない、なぜなら現状有姿売買だからだ」という意味に解されがちですが、法律的には、「現状有姿売買につき」というのは、「目に見える瑕疵」については責任を負わないということであり、「瑕疵担保責任を負わない」というのは、「目に見えない瑕疵」についても責任を負わないという趣旨です。両者は違う意味なのです。
なお、「目に見える瑕疵」といっても、厳密に言うと、売買における瑕疵担保責任の問題は、あくまでも「隠れた瑕疵」が対象であって(民法第570条)、目に見える瑕疵そのものは、瑕疵とは言いません。そういう意味で、現状有姿売買というのは、「売主は目的物件に手を加えず、そのまま引き渡す」という意味にすぎず、瑕疵について何かを規定したものではありません。
というのは、民法第570条(売主の瑕疵担保責任)では、「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。」として、「隠れた瑕疵」という表現をしているからです。
また、「瑕疵担保責任を負わない」といっても、売り主が知って告げなかった瑕疵については責任を負います。民法第572条(担保責任を負わない旨の特約)が、「売主は、第560条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。」と規定しているからです。
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図解で早わかり 借地借家 法
森公任 監修
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3945
三修社 定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「賃貸借契約を締結すると、貸主と借主は長期間にわたってつき合うことになります。
長期の契約の間に貸主と借主との間でトラブルが生じてしまう可能性は決して低くありません。
本書は、借りる側、貸す側のどちらの立場からも必要となる借地借家法の基本事項を中心に解説しています。
賃貸借契約においてしばしばトラブルになりやすい、敷金・賃料・必要費・有益費といった金銭がらみの問題は、図表を使いながらわかりやすく説明しました。
「相続・遺言をめぐる法律と税金トラブル解決法129 」
森 公任 , 森元 みのり共同監修
1,944円(税込)1,800円(税抜) 三修社
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「図解で早わかり 倒産法のしくみ」
森公任 森元みのり 共同監修
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(楽天ブックのベストセラーで、大学のテキストとしても広く利用されています)
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これは、「現状の、有るがままの姿で引き渡せばいい」という意味で使われています。そこから、瑕疵があっても、売り主は、責任を負わなくていいという意味にも捉えられています。
しかし、よく誤解されているのですが、現状有姿=瑕疵担保責任免除ではありません。
「現状有姿売買」というのは、「現状で、何ら手を入れずに外から見える姿のままで売る」ということです。そこで、売主は、「表に現われている」瑕疵については責任を負いませんが、「隠れている」瑕疵は「表に現われている」瑕疵ではなく、賠償責任の対象になります。
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また、「瑕疵担保責任を負わない」といっても、売り主が知って告げなかった瑕疵については責任を負います。民法第572条(担保責任を負わない旨の特約)が、「売主は、第560条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。」と規定しているからです。
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森公任 監修
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