2023/09/23 (Sat) 平安時代の猫・江戸時代の猫

【平安時代の猫】
歴博の平安時代のコーナーに展示してある「猫」。平安当時の復元建物にさりげなく置いてあります。学芸員というと、なんとなく、俗世間から離れ、朝から晩まで研究に打ちこむ超堅物というイメージがありますが、猫ちゃんをさりげなく配置し、結構、お茶目です。特に、稲に飛びつく猫の動作、岩合さんの写真以上に迫力あります。


【江戸時代の猫】
こちらは、東博の猫。左と中央の猫は浮世絵（確か歌川国芳？）に書かれ、右は源氏物語絵巻の一コマです。左の絵の猫ちゃん部分を拡大したのが、中央の絵です。


【古代の金・銀・銅】
歴博で。「漢委奴国王印（かんのわのなのこくおういん）」は日本史の教科書に載っているので、皆さん、ご存知です。下の写真のうち、一番左が、その金印のレプリカです。
文書行政が古来から発達した中国では、その文書の真正さを保つためには印が必須でした。中国皇帝は、威信財として、属国の王や、地方の長官に、その印を授けました。印は２センチ強と小さく、こんな小さな印に、よくあれだけ精巧な字を刻んだものだと感心します。
実は、このほかにも、銀印･銅印があります。写真は、その金印・銀印・銅印を並べたもので、もちろん、レプリカです。
中国の皇帝は、玉印を使います。古来、東アジアでは、最高位の貴石は、ダイヤでもなく金でもなく、玉、つまりヒスイとかきれいな石を磨いたものです。

玉・金・銀・銅が序列です。現代の我々の感覚からすると、？です。いくらきれいな石でも、しょせん石は石、なんで金の上に来るのか？（そういえば将棋でも、玉は金銀を控えています）。

授けるときは、印綬として、つまり紐をつけて渡します。これも、序列が決まっていて、

皇帝が多色(六色))で、続いて萌葱色(もえぎいろ：綟)、紫、青、黒、黄の順です。奴国の王様が中国皇帝からもらったのは、金印紫綬ですから、紐の色は、紫だったのでしょう。
卑弥呼を記載した魏志倭人伝にも、この印綬の記載があり、卑弥呼は金印紫綬、卑弥呼の部下たちは、銀印青綬だったと記憶しています。

【銅鏡・銅鐸】
歴博で。下の写真は、「三角縁神獣鏡」で有名な銅鏡。威信財として、当時の権力者に重宝されました。教科書や博物館で見ると、緑青という青緑色に錆びていますが、当時は、下の写真のように、銀色に輝いていました。銅が、なんで、こんな色になるのかわかりませんが、竪穴住居に暮らしていた人々は、度肝を抜かれたでしょう。
これで鏡の役割を果たせたのかと考えてしまいますが、実は、これは鏡の裏面。表面は、ピカピカに磨き上げられています。

下の写真は、歴博で。銅鐸。これも教科書には青緑色に錆びたものしか載っていませんが、実際は、赤銅色、というか金色に近いような輝きをしていました。朝鮮半島から伝わったものですが、わが区の銅鐸は、半島のそれとは似て非なるもの。大きさが全然違い、何十倍も大きいのが日本の銅鐸の特徴です。威信財として利用したので、お互いに、俺の銅鐸のほうが大きいい（だから俺のほうが偉い）と互いに競い合い、だんだん大きくなったのでしょう。鳴らしてみると、カーンという甲高い音がします。こういう音を、金属音を聞きなれない当時の人が聞いたら、びっくりしてひれ伏したはず。


【今週の食べ物】
歴博でランチ。古代米ソースカツどん。カツの下に、ちらりと赤飯のように見えるお米が、当時の人が食べていたと言われる古代米です。古代米といっても、ちゃんと精米していますから、味は普通の白米と全く同じです。色が違うだけ。


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