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ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記

森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。

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前回、ブログで不同沈下と業者の責任を述べましたが、そもそも、なんで不同沈下が起きるんだという基礎的な質問をうけましたので、今回は、その簡単な説明をします。
不同沈下には、3つの原因があります。

「圧密沈下」による「不同沈下」
わが国は、真っ平らな土地はほとんどなく、大体は、斜面になっています。平地に見えても緩やかな斜面です。土地を造成するときは、この斜面を平らにしなければなりません。
この平らにする方法は二つあります。
一つは、ともかく一番低い土地を基準として、それより上にある土地を全部削り取る方法です。これだと、もともとある土地しか使わないので不同沈下という問題は、通常生じません。仮に生じたとしても、過失はないということになる場合が多いでしょう。
しかし、この方法は、金がかかり、非現実的です。削りとる土砂が大量で造成費がかかり、しかも、どこかに捨てなければならず、処分費用が莫大になるからです。

もう一つは、斜面のうち、高い方の土を削り、低い方の地面に盛り土してしまう方法です。これだと工事が少ないし、削り取った土砂をどこに捨てるかという問題が生じません。経済的に極めて合理的です。
現代では、通常、造成地というのは、この後者の方法で、前者の方法は皆無のはずです。前者は、日本がのどかな国だったころの話です。

ところが、この方法には重大な欠陥があります。それは、削り取られた方の地盤は、それこそ何億年という永い歳月をかけて固まった土地なのに、盛り土した方の土地は、せいぜい1,2年の歳月しか経っていないことです。
この違いは土の密度に現れます。
盛り土では、土を単純に積み上げただけでは、土の成分である細かい粒と粒との間に空気や水が入り込んでいるため、粒と粒とはいわばバラバラの状態になっています。
しかし、当初はそのような状態の土でも、土自体の重みや、上に建った建物などの重みによって、中の空気や水が徐々に押し出され、やがては、粒と粒とが密着した状態になります。
その結果、土は固く押し詰まった状態にはなるのですが、そのかわり土の中にもともとあった水や空気がなくなるので、その分、土の体積は減ってしまい、結果的に地盤は沈むことになります。これを「圧密沈下」といいます。これが不同沈下です。
建物が沈下する原因の大半は、この圧密沈下によるものです。その典型例は、近年の造成地の、切土と盛土にまたがって建物を建てた場合の「不同沈下」です。
この「圧密沈下」による「不同沈下」を防ぐには、造成時に注意深く土を固めるしかありません。そのため、盛土する場合には、土を30cm盛るごとに、専用の重機や機械で、グッと地面を押しつぶして人工的に押し固める(転圧・填圧)作業を繰り返すしかありません。
特に、関東ロームの土は、切土したままの地盤は強度が高いのに対し、それを崩してしまうと極端に強度が低くなってしまうといわれています。

土の中の有機物の分解による不同沈下
もう1つよくみられる不同沈下の原因は、土の中の有機物の分解によるものです。
土の中には、肥えた土、つまり、炭素分が多量に含まれている土があります。原野や山林は、そのような有機物が混じった土で覆われているわけですし、沼地や低湿地、畑や水田なども地表の動植物の死骸の有機物が無機物の土に大量に混ざっています。
このような炭素分が多量に含まれている土を造成地とする場合、それらの超えた土を十分に取り除く必要があります。
というのは、その後の時間の経過によって中の有機物が分解され、炭素分が二酸化炭素(CO2)ガスになって地盤から抜け出していきます。そうなると、それまであった炭素が減ってしまいますから、その分地盤の体積が減り、沈下してしまいます。
この様な土地の場合は、単に上から土を盛っただけだと建物の重みで炭素分が二酸化炭素(CO2)ガスになって地盤から抜け出し、地盤が沈下するので、造成にあたっては、これらの肥えた土を十分取り除く必要があるのです。
このような地盤かどうかは、見ただけではわからず、過去の地形図などを調べることで、かつて、沼や河川に近い低地や水田だったかどうかを十分調査する必要があります。

「液状化」による不同沈下
最近、不同沈下で一番話題なのは、浦安あたりの液状化による不同沈下でしょう。
液状化は、多く、土の粒子が大きく粗い砂土質で生じます。
砂質土の場合、普段は、砂粒同士が密着して、比較的強い地盤となっています。ところが、地震による振動が加わると、砂粒の間の地下水の水圧が上がり、その水圧を受けて砂粒同士が離れてしまい、砂と水とが混じった、いわば「どろどろ」の水のような状態になります(液状化)。ひどいときは、高い水圧の水が、地中に隙間の弱い部分から砂と一緒に地上に吹き出すこともあります。
やがて、地震が収まると、水圧は元に戻りますが、砂粒のほうは、隙間が元の状態よりも減った、押し詰まった状態になりますので、地震前よりも全体の体積は減ってしまいます。噴砂によって砂粒自体が噴き出して流出してしまった場合はなおさらです。
これにより、不同沈下が生じます。

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