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ニャラリーガルはなちゃんのひねもすのたり日記

森法律事務所のトップに君臨するニャラリーガルハナちゃんとハナちゃんに従える下僕所長、それぞれの、ひねもすのたりのたりの日々を送ります。このブログで、社会に何かを発信しているわけではありません。

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サブリースが盛んである。昔から行われてきたが、いまだに衰えを知らない。
サブリースとは、賃貸不動産管理会社(サブリース会社)が、大家さんからアパートやマンションを借り、自分が貸主となって入居者を募集し転貸する契約である。
サブリースは、本来、建築会社の賃貸住宅建設受注の営業活動として利用されたが、しだいにこれを本業とする会社があらわれ、現在は、賃貸住宅市場の約3割がサブリース物件ではないかと言われている。国土交通省も、平成13年にサブリース用の標準賃貸借契約書を発表している。

サブリース会社と契約する場合、最大の問題点は、サブリース会社は、オーナーに、いかなる場合に、どの程度、賃料の値下げを請求できるかという点である。

これについては、有名な最高裁判例がある。今回は、この判例を紹介しよう。

背景には、バブル経済の崩壊とそれに伴う賃貸市場の市況悪化にあった。
サブリース契約が開始された当時は、「不動産も家賃も、上がることはあっても下がることはない」という不動産神話が信じられており、サブリース会社も、この神話を信じ、この神話を前提とした契約を締結していた。
ところがバブル経済が崩壊し、賃料が下がり始めた。市場は「入居させてやる」から「入居していただく」と変わった。
サブリース会社は、転借人から取得できる賃料が下がる一方で、オーナーに支払う賃料は現状維持。ほとんどのサブリース会社が赤字経営に陥った。このままでは事業が行き詰る。そこで、サブリース会社は、借地借家法32条の賃料減額請求権を行使して、オーナーに支払う賃料の減額を主張した。
これに対し、オーナー側は、サブリースは事業なんだから借地借家法の適用はないと主張して争った。多くのオーナーは、銀行から多額の借り入れをして貸家を建築した。サブリース会社から支払われる賃料は、そのまま、銀行ローンの返済へと充てられた。賃料の減額は、銀行ローン返済の行き詰まりとなり、オーナーんにとっては、死活問題だった。

下級審の判例は分かれたが、最高裁は、平成15年10月、以下のように判断した。
1、サブリース契約にも借地借家法の適用があり、借地借家法32条の賃料減額請求権を行使できる。
2、しかし、賃料の適正額を定めるにあたっては、サブリースという事業であることを十分配慮せよ。
これを受けて差戻し審は、サブリースが、不動産会社からの提案であることを踏まえて、次にように判断した。
1、適性賃料を定めるにあたっては、一方で、サブリース会社の事業収支も考慮しなければならないが、他方でオーナーの資金返済計画も考えなければならない。
2、バブルの崩壊で、固定資産税や金利が減少した。この減少分は、家賃を減額できる。
3、しかし、そのほかの下落分は、事業を提案したサブリース会社が負うべき経営リスクであり、原則として、サブリース会社が負担する。

現在のサブリース契約は、市況がどう変動しようと、サブリース会社は損はせず、市況の変動による損失は、すべてオーナーが負担する内容の契約になっている。地主がサブリース契約でアパートなどを建築しようとする場合は、その点を覚悟する必要がある。



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